色彩と絵画 [七月同盟]
液晶画面の輝度と解像度に慣れすぎたので二つ
の目で見る景色がつまらなくなった。何か感じても
カメラで確かめて再現された画像に一喜一憂して
いる。艶やかな色彩、強いコントラストに美しさを
求めて。
感情を呼び起こす色があるのは確かなんだけど、
狙いすぎてもね。
美術館に行けばいいのかな、博物館の方が落ち着
いているかも。退屈と引き換えに、わがままだね。
公共施設や百貨店に大きな作品が飾られている。
見るために来る人はいないので、作者と一緒に忘れ
られている存在。
未来を生きるってどんなこと、問いかけられてい
るようで怖いんだ。
やっさん [七月同盟]
かなりのお年のおばあさんが、手押し車を押しなが
らゆっくり歩道を歩いていたら、警察官が歩み寄り
話しかけたんだ。二人は立ち止まっている。しばら
くしたらパトカーが来て、おばあさんと手押し車を乗せて走り去った。
お年寄りを保護したと、普通思うよね。ところが
任意同行だったんだ。彼女の手押し車の中には現金と宝石、
ありえない額の。地下組織の運び屋だった。
防犯カメラを調べても判らないことがある
彼女は自分の意志で犯罪に加担したのか、だまされただけなのか。
供述は曖昧で、すぐ泣くし、疲れるし、眠る。
困った警察から「七月同盟」に依頼があった
人生経験豊富な方々の、お知恵を借りたいと。
皆さんなら、どうしますか。
「七月同盟」的「はぐれ刑事純情派」